Wishy-WashyのJAZZ映像パラダイス&MORE

2001年7月に開店し、20016年1月に閉店した大阪市北区・西梅田のジャズ・バー『Wishy-Washy』です。所蔵していた映像ソフトやCD等を中心に貴重なものや面白いものをご紹介します。

私、ずいぶん長い間、久しく、映画館には行っていなかったのですが、
去年の9月から年末にかけて、音楽関連の映画が連続して劇場公開されたので、立て続けに観に行きました。

まず、9月に公開されたジャニス・ジョプリンのドキュメンタリー『JANIS~LITTLE GIRL BLUE』

映画-LITTLE GIRL BLUE-ポスター

ジャニス本人が登場する場面は、殆ど既に観たことがある映像でしたが、
最後のシーンで、タイトル曲の「LITTLE GIRL BLUE」を歌う映像は初めて観る物でした。
やはり、『取って置きの映像は最後に!』という事なのでしょうね。

そして、11月のチェット・ベイカーをモデルにしたイーサン・フォーク主演の『BORN TO BE BLUE』

映画-BORN TO BE BLUE-ポスター

イーサン・フォークが、そこそこ!?頑張ってました。

それから、12月にはジャコ・パストリアスのドキュメンタリー『JACO』

映画-JACO-ポスター

こちらも、ジャコが演奏する場面は、殆ど既に観たことがある映像でしたが、
ジョニ・ミッチェルの『SHADOWS AND LIGHT』のライブのメンバー達と、屋外で食事(パーティー?)をしているシーンは初めて観ました。
そして、『ジャコのベースは、大音量で聴くことで、その魅力の真髄に近づける』と確信しました。

最後に、同じく12月のマイルス・デイヴィスをモデルにしたドン・チードル監督・主演の『MILES AHEAD』

映画-MILES AHEAD-ポスター

映画館に観に行ったのは年明け早々になりました。
ストーリーは"フィクション"だと事前に分っていたものの、話の内容のわりには、銃をドンパチやるシーンがあまりに多くて、正直ちょっと"シラケ"ました。
でも、最後の「マイルスが復帰して演奏している」シーンで、バンドのメンバー(ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、エスペランザ・スポルディング、ロバート・グラスパー等という新旧の豪華なメンツ)の一員として、アントニオ・サンチェス(ds)が結構大きくフィーチャーされていたのが嬉しかったのと、(こちらも、『取って置きの映像は最後に!』でしょうね。)
映画の中で使われていた、マイルスの1961年のアルバム『SOMEDAY MY PRINCE WILL COME』のレコード・ジャケットの写真が、「当時のマイルスの妻、フランシス・テイラー」から

MILES DAVIS-SOMEDAY MY PRINCE WILL COME

フランシスを演じている女優さんの写真に変えていたのが面白かったりはしました。

映画-MILES AHEAD-女優

そのシーンの画像が見つからないので、お見せ出来ないのが残念ですが、
見つけ次第アップしようと思っておりますので、お楽しみに・・・!?

3週間程前に、NHK-BSで、クリント・イーストウッドの1971年の初監督作品『恐怖のメロディー』がオンエアされていました。

KYOFU NO MELODY-MOVIE-JAPANIES TITLE

まず、大まかな筋をご説明しますと、「イーストウッド演じるラジオDJが、いつもエロール・ガーナーの"ミスティー"をリクエストしてくる女性につきまとわれて、彼に意中の女性がいると知られるや嫉妬から邪魔をされ、挙句の果てには逆恨みされて恋人を人質にとられて命まで狙われる(最後には主人公が女性ストーカーをやっつけて終わるのですが・・・。)」というコワ~~~イ映画です。
そして、この映画の舞台となっているのが、カリフォルニア州モンタレー(モントレー)郡のカーメル市。
主人公のDJが放送でモンタレー・ジャズ・フェスティバルの開催告知をしたり、実際にジャズフェスを聴きに行くシーンもあって、
そこではキャノンボール・アダレイがソプラノサックスを吹いていたり、そのバックでジョー・ザビヌルがフェンダー・ローズを弾いていたりするのです。
演奏している曲は、「COUNTRY PREACHER」(同名タイトルのライブアルバムに収録)だと当店元常連さんのF氏に教えていただきました。

KYOFU NO MELODY-MOVIE-CA

KYOFU NO MELODY-MOVIE-JZ

映画の冒頭は、海岸の大写しから始まり、海岸の絶壁の上に建っている別荘のような建物にズームインして行き、そこにイーストウッド演じるDJが住んでいるというシーンに繋がって行くのですが、

KYOFU NO MELODY-MOVIE-OPENING SEA SHORE

この映画の原題が『PLAY MISTY FOR ME』だけに、

KYOFU NO MELODY-MOVIE-ORIGINAL TITLE

"MISTY"の作曲者エロール・ガーナーの代表作『CONCERT BY THE SEA』が1955年にライブ収録された会場があるカーメル市の海岸(アルバムのジャケット写真にもなっています。)近くに住んでいるという設定にしたのでしょうね。
(このアルバムに"MISTY"は収録されていないのですが・・・。)

ERROLL GARNER-CONCERT BY THE SEA

因みに、このアルバムのタイトルはカーメル市が『CARMEL BY THE SEA』と呼ばれているのを文字って付けられたそうです。
そして、このアルバムのライブをプロモートし、数年後にモンタレー・ジャズ・フェスティバルを興したのが当時地元でDJをしていたジミー・ライオンズという人物なので、
イーストウッド演じる主人公の職業がDJで、ジャズフェスに絡んでいるというのも、このアルバムのバックグラウンドに重ね合わせているのでしょうね。

そして、もう一つ、「エロール・ガーナー周辺の事情と重ね合わせているのでは・・・?」と妄想させてくれる事があります。
イーストウッドは、この映画に「MISTY」を使うにあたり、ガーナーのエージェントに許可を求めたところ、「2万5千ドル要求された」と別の映像に収録されているインタビューで答えているシーンがあるのですが、
自分が愛してやまないジャズを使おうとしたところ、エージェント(有名なやり手の女性だそうです。)に法外な?要求をされたというエピソードと映画のストーリーが重なるように思ってしまうのは私だけでしょうか・・・。

ところで、『CONCERT BY THE SEA』というアルバムには未発表曲がかなり前から見つかっていたそうなのですが、
この辣腕女性エージェントが"ウン"と言わなかったためにリリースに至っていなかったのだそうです。
2014年末に彼女が亡くなると、翌年、未発表曲を含む完全版の『THE COMPLETE CONCERT BY THE SEA』が無事リリースされて話題になったのはまだ記憶に新しいところです。

ERROLL GARNER-CONCERT BY THE SEA-COMPLETE

また、イーストウッドは、実際にカーメル市に住んでいた(いる?)そうで、1986年から1988年まで市長も務めたそうです。
相当この地が気に入っているようですね。

カーメル市を題材にしたアルバムというと、カーメルの海岸に佇む姿をジャケットにしたジョー・サンプルの、その名も『CARMEL』がすぐに頭に浮かびますが、

JOE SAMPLE-CARMEL

このアルバムに収録されている、アルバムタイトルと同名曲のイントロのリフが結構好きです。
先週、パット・メセニー・バンドをサンケイホール・ブリーゼに聴きに行きましたが、
その前にメセニー・バンドのドラマー"アントニオ・サンチェス"のCDを予習で何度か聴き直したりしているうちに、
サンチェスがサウンドトラックでドラムソロを演っている映画『バードマン』(アカデミー賞主要4部門受賞)をもう一度観てみたくなり、再鑑賞しました。

MOVIE-BIRDMAN-FLYER.jpg

この映画、ちょっと複雑な造りになっているので(そんなに頻繁に映画を観ない私の勝手な意見ですが・・・。)、
2回目の今回の方がより楽しめましたし、サンチェスのドラミングの方にもちゃんと意識を向けることが出来ました。
そして、この映画のサウンドトラックCDで音だけでサンチェスのドラミングをもう一度聴いてみたところ、

MOVIE-BIRDMAN-SOUND TRACK-CD

最初に聴いた時(映画を観る前でした。)は、「何が何だか分らない」という印象で、あまり集中して聴けなかったサンチェスのドラムソロが、予想どおりちゃんと納得して聴けたのでした。