Wishy-WashyのJAZZ映像パラダイス&MORE

2001年7月に開店し、20016年1月に閉店した大阪市北区・西梅田のジャズ・バー『Wishy-Washy』です。所蔵していた映像ソフトやCD等を中心に貴重なものや面白いものをご紹介します。

リー・リトナーが「東京JAZZ 2007」に先立つ9月18日に大阪のザ・シンフォニー・ホールで開催された「なにわ、もっともっとJAZZ NIGHT 2007」に出演した時の映像です。
メンバーは、ビル・エバンス(ts&ss)、パトリース・ラッシェン(key)、ブライアン・ブロンバーグ(b)、アレックス・アクーニャ(ds&per)という豪華版。

「パーティー・タイム」というリー・モーガンの曲を演奏しているのですが、

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最初にブライアン・ブロンバーグが一人でベース・ラインを弾きはじめると、

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リー・リトナーが笑っているんです。どうしたのかなと思っていると、

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やがてリー・リトナーとビル・エバンスがテーマを弾きはじめ、ベース・ラインのキーが間違っていたのが判明。
このレベルの人たちでも、こんなことがあるんですね。
でも、何もなかったように瞬時にベース・ラインのキーをチェンジしてしまうブライアン・ブロンバーグも流石。

この曲には、もうひとつ面白いシーンがあります。
リー・リトナーがソロ・アドリブをはじめてしばらくすると、アレックス・アクーニャのドラミングが何かしっくり来ないのか、アレックス・アクーニャの方をジロっと睨みつけます。

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他の曲の時にもギター・ソロの時に睨みつけているシーンがあります。
いつもニコニコと朗らかなイメージのリー・リトナーなのに「怖っ!!!」
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こちらも同じ常連さんから頂いたCDです。
このスパイク・ロビンソンというテナーマン、1930年ウイスコンシン州生まれということなのですが、1981年、51才の時に16年間勤めた会社を辞めてプロのテナーサックス奏者になることを決意し、ディスカバリー・レコードにハリー・ウォーレン曲集をレコーディングして、レコードとしてリリースもされたようです。
その後、イギリスのHEPというレーベルから何枚かアルバムをリリースしていて、イギリスを中心に活動していたようです。
そして1993年に、先にディスカバリーに初レコーディングしていた8曲に、新たにハリー・ウォーレンの曲を6曲レコーディングしたものを追加してHEPからリリースしたのがこのアルバムということのようです。
この1993年のレコーディングには、私の好きなピート・ジョリー(p)が参加していたので、それを知っておられた当店の常連がこのCDをくださったというわけです。
さて、このCDの出来はどうかというと。
ベテランらしく、落ち着いた味のある演奏で、何回聴いても飽きがこないもので、当店でもヘビー・ローテーションとなっております。
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先日、当店のある常連さんからこのCDを頂きました。
Dylan Cramer(as)の「Remembering Sonny Criss」というアルバムです。
1997年の録音で、入手困難だったのが最近再発されたそうです。
ジャケットはオリジナルデザインではないそうです。
このディラン・クレイマーという人、カナダのバンクーバーの人で、17才の時にソニー・クリスの「Crisscraft」を聴いて彼のアルトの音に惚れ込んでしまい、2年後にはバンクーバーからLAに出てきてソニー・クリスが自殺してしまうまでの8ケ月間、彼の下で勉強していたという経歴の持ち主だそうです。
そのためか、この人のアルトもソニー・クリスの音にとてもよく似ているのですが、ソニー・クリスより少しソフトなサウンドで、かなりいい感じです。
ベースには、ソニー・クリスが"Go Man"で共演しいてたリロイ・ヴィネガーを起用したりしていて、アルバムの出来もかなりいい感じになっています。
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1987年、ボルチモア(メリーランド州)の「エセルズ・プレイス」という所でのライブのシューティング映像です。
病気から復帰した直後に発表した「リターン」というアルバムの頃のもので、コスチュームもアルバムのジャケットと同じ感じで、まだまだ尖ってます。
ベースにはハービー・シュワルツ、ドラムはジューイ・バロンという渋くてチョット変態なメンバー。
1曲だけの収録という貴重な映像です。

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ここでパットが弾いているギターが、とても変わっていて、ヘッドはV字型のスリットが入っていて、ボディーには彫刻のようなものが施してあります。

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どこのギターなのかと思っていたのですが、
彼が当店常連さんのH氏と来店した時に尋ねてみると、「Abe Rivera」というメーカーの「Scepter」という機種だそうです。
本人に聞いて、メモしてもらったので、間違いないと思います。
それにしても、この映像、ちゃんとした形でリリースして貰いたいものです。
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グラント・グリーンの1970年代と思われる映像です。
彼の映像は、これ以外には無いと思います。
それも、バーニー・ケッセルとケニー・バレルとのこの1曲だけです。

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3人でのギターバトルということなのか、いつものシングル・トーン一点張りという演奏ではなく、アドリブの交換の中で、コード弾きを交えたりしています。
「出来ないんじゃなくて、やろうと思えば、出来るんだよ。」と主張しているのでしょうか?
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エルビン・ジョーンズの1968年デンマークでのライブです。
サックスがジョー・ファレル、ベースがジミー・ギャリソンというピアノレス・トリオで、当時リリースされた「PUTTIN' IT TOGETHER」という秀逸なアルバムと同一メンバーで、演奏している曲もこのアルバムに収録されているものです。
ここでの演奏は、上記のアルバム同様、超硬派な演奏で、ピアノレスということもあって、ジョー・ファレルも、後の「リターン・トゥ・フォーエバー」でのイメージとは全く違うハードなコルトレーン・スタイルで吹いています。
しかし、ここでハプニングが......。

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エルビンが、あまりにパワフルにバスドラムを踏むので、ドラムセットがズルズルと前へズレて行ってしまい、
それをジョー・ファレルが押し戻したり、エルビンが自分で引き戻したりつつ演奏を続けるのですが、
超硬派でシリアスな演奏なだけに、このハプニングがよけいにコミカルに見えてしまい、チョットした息抜き的な効果をもたらしているような...?
なお、この映像は当店常連さんのピアニストMさんから提供していただきました。
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フィニアス・ニューボーン Jr.が、1962年に「JAZZ SCENE USA」というアメリカのテレビ番組に出演した時の映像で、ベースは1971年からの「GIANTS OF JAZZ」ツアーにも参加したアル・マッキボンです。

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この中で、フィニアス・ニューボーンがチョット変わった技を見せてくれます。
それは、右手をいっさい使わず、左手だけで一曲を弾いてしまうというものです。
これは、昔バド・パウエルが、アート・テイタムに自分のテクニックを馬鹿にされた時に、テイタムにこの技を使って自分のテクニックの凄さを見せつけたという逸話を再現したものだと思います。
それにしても、右手をピアノの上に置いて、「ほら、ご覧のとおり、右手は使ってないでしょう。」と言わんばかりのデモントスレーションは手品師や大道芸人のようなノリで笑えます。
たぶん、テレビ局の人から、そうしてくれと言われたんでしょう。
こちらもフレディー・ハバードの映像で、1985年2月22日にニューヨークのタウンホールで開催された「One Night With Blue Note」という新生ブルーノート・レーベルの誕生記念イベントに出演した際の演奏です。

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このイベントがきっかけになったのか、翌年からは、日本の山中湖畔で「マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル・ウイズ・ブルーノート」も始まり、フレディーも第1回に出演していました。
ちなみに、「マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル・ウイズ・ブルーノート」の映像は第1回から第10回まで(第4回を除いて)当店で観ていただけます。

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さて、話を「One Night With Blue Note」に戻しましょう。
フレディーは、ハービー・ハンコックの「Canteloupe Island」をハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウイリアムス(ds)、ジョー・ヘンダーソン(ts)という「V.S.O.P.クイテット」のようなメンバーで演奏するのですが、

曲が終わると、フレディーがスーツのポケットに手を突っ込んで何かを掴んで出そうという仕草をします。

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でも、手には何も持っていなくて、

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そのまま手を広げてジャンケンで「パー」を出すような格好をします。

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「全力投球したので、ポケットにはもう何もネタは残っていないよ。」という意味なのでしょうか?
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1988年6月13日東京郵便貯金会館での「至上の愛」コンサートの映像です。
リーダーのエルビン・ジョーンズ(ds)にマッコイ・タイナー(p)、リチャード・デイビス(b)というコルトレーン・リズムセクションに、フレディー・ハバード(tp、flh)とソニー・フォーチュン(ts)のフロントラインというオールスター・メンバー。

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3曲目でフレディー・ハバードがフィーチャーされ、無伴奏で「スターダスト」のヴァースを吹きはじめます。

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そして、その饒舌な(「喋りすぎ」の感がなきにしもあらずですが...。)ヴァースも終わり、フレディーがテーマへと導こうと最初の6音を吹き終えてリズムセクションが入って来た時、曲が突然「ボディー・アンド・ソウル」に変わってしまうのです。
「ありゃりゃ。チョットチョット。そんなのありなん!!!???」ってな感じです。