Wishy-WashyのJAZZ映像パラダイス&MORE

2001年7月に開店し、20016年1月に閉店した大阪市北区・西梅田のジャズ・バー『Wishy-Washy』です。所蔵していた映像ソフトやCD等を中心に貴重なものや面白いものをご紹介します。

さて今回も前回に引き続きマイルス・デイビスなんですが、以前の記事でもご紹介した『NIGHT MUSIC』というテレビ番組にマイルスが出演した時(1989年)の映像です。

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ここで、マイルスは『TUTU』、『Mr. PASTORIUS』、『HANNIBAL』といった曲を自分のバンドと番組のハウス・バンドの混成メンバーで演奏しています。

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また曲の合間に、前回の記事でご紹介した『1959年の映像』が流れて、この30年前の映像についてマイルスがインタビューを受けるというシーンがあります。
いつもは、番組ホストのデビッド・サンボーンがゲストとトークをするのですが、
ここでは、番組ハウス・バンドのベーシストでマイルス・バンドのメンバーでもあったマーカス・ミラーがマイルスへのンタビュー役を務めています。

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マーカスはマイルスに、チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーとの事についての質問もするのですが、この『1959年の映像』については、『演奏やメンバー』の事ではなく『マイルスの服装』について質問しようとします。

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マイルスが怒り出しそうになるのをなだめて ~番組を盛り上げるためにニコニコと笑いながら演技しているといった感じですが~ マーカスが質問すると、

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『このときの服装は黒いセーターにグリーンのバーバリーのスーツだった』とマイルスが答え、『この時代にスーツの下に黒いセーターというのは珍しくて目立ったのでは?』とマーカスが突っ込むと、『みんなタイをビシっと絞めていたからなあ』な~~んてマイルスが答えたりしております。

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マイルスとこんなやり取りが出来るのは当時、マーカス・ミラーしかいなかったのでしょうねぇ・・・。
なかなか見られないシーンで楽しめます。
さて今回は、久しぶりに帝王マイルス・デイビスです。
1959年4月2日に『ROBERT HERRIDGE THEATER』というテレビ番組に出演した時の『THE SOUND OF MILES DAVIS』という映像です。
ちょうど『KIND OF BLUE』を録音した頃ですね。
彼の映像としては最も古くて最も有名なものだと思います。
この番組では他にも、カウント・ベイシー、ビリー・ホリデイ、レスター・ヤング、コールマン・ホーキンス、ベン・ウエブスター、パパ・ジョー・ジョーンズ、セロニアス・モンク、ジェリー・マリガン等の錚々たるメンバーが出演した『THE SOUND OF JAZZ』や、アーマッド・ジャマル・トリオとベン・ウエブスター・グループが出演したなんてのもあります。

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さてここでは、マイルス・デイビス・クインテットとギル・エバンス・オーケストラが共演しているのですが、クインテット主体の演奏は、1曲目の『SO WHAT』だけで、後の曲はギル・エバンス・オーケストラが大々的にフィーチャーされています。
その『SO WHAT』では、ポール・チェンバースのベースの導入から始まるテーマが終わるとマイルスがソロを取り、引き続いてコルトレーンがソロを取るのですが、

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ソロを終えたマイルスは、コルトレーンがソロを取っている時に、近くにいるギル・エバンス・オーケストラのメンバー達と煙草を吸いながら何かお喋りをしています。

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ところが、コルトレーンが鋭いフレーズを吹くやいなや、それまで後ろを向いてマイルスと喋っていたギル・エバンス・オーケストラのメンバーの一人が「ムムッ」という感じでコルトレーンの方を振り向く瞬間があります。

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聴いていないようで、聴いているんですねェ~~~。
印象に残るシーンです。



最近よくかけているアルバムがもう一枚あります。
ホルヘ・ダルトの『URBAN OASIS』というアルバムです。
この人、ジョージ・ベンソンの『BREEZIN'』に参加して名前が売れた人だと思います。

JORGE DALTO

このアルバムは過去に一度CD化されて以来、長らくCDがリリースされていなかったようなのですが、最近ようやく再発されたのでゲットしました。
内容は大まかに言うと『ラテン・フュージョン』なのですが、フルートを使って涼しげに仕上げてあったり、ベニー・ゴルソンの『KILLER JOE』やフレディー・ハバードの『SKY DIVE』をラテン・フュージョン・フレーバーに仕上げてあったりして、ラテン色が濃くなり過ぎず、なかなかいい塩梅で楽しめますし、夏にはピッタリのサウンドで飽きが来ません。
でも、何故か各種のジャズ雑誌ではこのCDの再発が紹介されていません。
少し前にCD化されたこの人の3枚のアルバム『CHEVERE』『RENDEZ-VOUS』『NEW YORK NIGHTLINE』はちゃんと紹介されているのに何故なんでしょう。
私も『CHEVERE』は初CD化ということもあって買って聴きました。

JORGE DALTO-CHEVERE

でも、ついつい『URBAN OASIS』の方をかけてしまうんです。
時代が変わっても色あせない良いアルバムだと思うんですけどねェ・・・・・。

(P.S. SJ誌9月号で、ようやく紹介されました。)
さて今回は、最近当店で良くかけているCDをご紹介しましょう。
まず最初は、ウォーレン・ウルフという若手のヴァイブ奏者の『BLACK WOLF』というアルバムで、日本のレーベル(ポニーキャニオン)がリリースしています。
彼のアルバムは4年前にも日本のレーベル(M&I)から『INCREDIBLE JAZZ VIBES』というウエス・モンゴメリーの有名盤を引用したようなタイトル(ジャケットのデザインもそれ風です。)の初リーダー作がリリースされていて、日本が紹介したプレーヤーといった感じさえします。
それ以外に、もう一枚『RAW』というアルバムをWARREN WOLF MUSICというレーベルからリリースしているアルバムがあるようですが、レーベルの名前からすると自主制作盤といった趣です。

WARREN WOLF-1

そして、もう一枚のヘビーローテーションも日本の"スパイスオブライフ"というレーベルからのリリースなんです。
スウェーデンのピアニスト、ラーシュ・ヤンソンの最新作『IN SEARCH OF LOST TIME』です。
彼のアルバムもここのところずっとこのレーベルからリリースされていて、こういう良い内容のアルバムが日本のレーベルからリリースされるのは喜ばしいことです。

LARS JANSSON

そしてラーシュ・ヤンソンは、9月にこのアルバムのメンバーで来日公演もしてくれるんです。
大阪が初日で、9月8日(火)に大阪市西区の『KOO'ON(空音)』というライブ・スペースです。
関西に来てくれるのは約5年ぶりということで、聴き逃す手はないでしょう。
その後、9日(水)名古屋ブルーノート~10日(木)六本木STB139スイートベイジル~11日(金)横浜DOLPHY~12日(土)吉祥寺SOMETIMEというスケジュールになってます。

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今回も以前ご紹介した映像で、新たに発見したシーンです。
スタッフが1976年のモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演した時の映像で、今回の主役もエリック・ゲイルです。
この人『いつも怖い顔して演奏している』というイメージがあるのですが、

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『いつも怖い顔して演奏している』代表格と言えば、やはりマイルス・デイビスでしょう。

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それと、マルグリュー・ミラーも『いつも怖い顔して演奏している』というイメージがあります。

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おっと、この辺で話を戻すことにしましょう。

この時のスタッフは、デビューしたばかりで、まだオリジナル曲が少なかったのか、他のミュージシャンの曲等をカバーした演奏が結構あります。
その内の一曲『OH HAPPY DAY』での出来事です。

他の曲は、スタッフのメンバーだけでインストで演奏されるのですが、この曲だけ『オデッタ』というゴスペル系と思われる女性ヴォーカルがフィーチャーされています。
彼女がステージ右奥から登場し、立ち位置が右端のエリック・ゲイルの右側を通ってステージ中央へ出ようとするのですが、
マイクのコードが短かったのか、ゲイルが障害物になったようで、マイクのコードを持ち上げて、ゲイルの頭の上を通過させてしまうのです。

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最初は気付かずに『怖い顔して演奏してた』ゲイルも、ついに気付いて、この笑顔です。

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彼らの演奏にヴォーカルをフィーチャーする必要は無いと思いますが、エリック・ゲイルの笑顔が見られるのなら『良し』としましょう。