Wishy-WashyのJAZZ映像パラダイス&MORE

2001年7月に開店し、20016年1月に閉店した大阪市北区・西梅田のジャズ・バー『Wishy-Washy』です。所蔵していた映像ソフトやCD等を中心に貴重なものや面白いものをご紹介します。

先日、当店常連さんのピアニストM氏が、リッキー・リー・ジョーンズの『LIVE AT THE WILTERN THEATRE』というLDを貸して下さいました。
この映像、彼女の初?ライブビデオだということの様です。
DVDでもリリースされた様ですが、現在入手不可能な様です。

RICKIE LEE JONES-LIVE AT THE WILTERN THEATRE-LD

この映像は、1991の夏に、ジョー・ヘンダーソン(ts)、チャーリー・ヘイデン(b)、ロベン・フォード(g)をメンバーに迎え、ジャズ・ナンバーを数多く取り上げて歌っている『POP POP』というアルバムをリリースしてから

RICKIE LEE JONES-POP POP

約半年経った1992年2月8日と9日に、ロサンゼルスの"ウイルターン・シアター"という所で演ったライブを収録したもので、

RICKIE LEE JONES-WILTERN THEATRE-NEON SIGN

『POP POP』からは、スタンダード『BYE BYE BLACKBIRD』、ジミ・ヘンドリックスの『UP FROM THE SKIES』、ボビー・ティモンズの『DAT DERE』、1954年のミュージカル"ピーターパン"からのナンバー『I WON'T GROW UP 』という4曲を歌っていて、他にも『MAKIN' WOOPIE』なんていうスタンダードも演っております。

RICKIE LEE JONES-WILTERN THEATRE 1992

ところで、この映像、『彼女の初?ライブビデオ』と"?マーク"を付けて書きましたが、これは『リリースされたのが初』という事でして、彼女のライブを収録したもっと古い映像としては、『1984年のデビッド・サンボーンのモントルー・ジャズ・フェスティバルのライブ』というのがあります。

DAVID SANBORN-LIVE AT MONTREUX 1984-DVD JACKET

この中で彼女は、サンボーン・バンドにゲストとして出演して『AUTUMN LEAVES』を歌っております。

RICKIE LEE JONES 1984-2

RICKIE LEE JONES 1984-3

話を1992年のライブに戻しますが、
このライブでパーカッションやビブラフォンで参加しているのが、エド・マンという人。

RICKIE LEE JONES 1992-ED MANN

この人、1970年代の終わり頃から1980年代にかけて、フランク・ザッパ・バンドの一員だった人です。
こんなところで生き残っていたとは!!!
前回の記事でご紹介した『WORDS AND MUSIC』という、ロレンツ・ハートとリチャード・ロジャースの作詞・作曲コンビを描いた1948年の映画の中で、
ミッキー・ルーニー演じるロレンツ・ハートが、ペギーという歌手ーが歌っているクラブへ行って、彼女とお酒を飲むシーンがあるのですが、

SPEAK EASY-2

ウエイターが注いでいるお酒のボトルは紙で包まれていて、

SPEAK EASY-1

二人は、お酒を"ティーカップ"で飲んでいます。

SPEAK EASY-3

これは、禁酒法時代にあった『スピーク・イージー』という闇酒場で飲んでいるという設定なんでしょうね。
ロレンツ・ハートがリチャード・ロジャースと活躍した時期(1925年~1942年)と禁酒法が施行された時期(1919年~1933年)は重なっているので、不思議ではないのですが、
あまり"隠れて飲んでいる"という緊張感は感じられません。
映画の進行上、こういう雰囲気にしたのか?、"禁酒法"といっても、そんなに厳しく取り締まられていなかったのか?、実際はどうだったのでしょうね。

ところで、"禁酒法"と言えば、この『BROOKLYN LAGER』というビール。

BROOKLYN LAGER-BOTTLE

そのラベルの上の方には『THE PRE-PROHIBITION BEER』と書いてあります。
"PROHIBITION"というのは、この場合、"禁酒法"という意味になる様で、『禁酒法以前のビール』ということの様です。

BROOKLYN LAGER-LABEL

『禁酒法以前のビール』なんて勿論飲んだことありませんが、
このビールは、"フルーティー"で、"適度な苦み"もあり、"後味がスッキリ"していて、"香りも楽しめる"という出来映えで、私はとても気に入っていて、当店の"一押し"にしております。
前々回の記事では、ビリー・ストレイホーン作曲の『CHELSEA BRIDGE』を話題にしましたが、
今回はロレンツ・ハートとリチャード・ロジャースの作詞・作曲コンビを映画化した『WORDS AND MUSIC』という1948年の作品をご紹介しましょう。
前回の記事のタイトルにした『SPRING IS HERE』も、実は二人の作詞・作曲コンビによる曲のタイトルから引用したものです。
(このビデオも、今まで何回もご紹介している『1940年代以前のジャズや映画にとても詳しいお客さん』に貸していただいたものです。)

WORDS AND MUSIC-TITLE

二人を演じているのは、ミッキー・ルーニー(ロレンツ・ハート役)とトム・ドレイク(リチャード・ロジャース役)。
自分達で、最初のヒット作『MANHATTAN』を歌うシーンもあります。

WORDS AND MUSIC-RH

監督は、"ノーマン・タウログ"という人で、以前の記事でご紹介した『GIRL CRAZY』という"ガーシュイン"の音楽をフィーチャーした1943年の映画と同じ監督なんです。

そのせいか?『GIRL CRAZY』で主演していたジュディー・ガーランドも出演していて、『JOHNNY ONE NOTE』を歌っていたり、

WORDS AND MUSIC-JG

ミッキー・ルーニーと二人で『I WISH I WERE IN LOVE AGAIN』をデュエットしていたり、
 
WORDS AND MUSIC-MRJG

こちらも『GIRL CRAZY』に出演していたジューン・アリソンが、『CONNECTICUT YANKEE』というミュージカルの舞台のシーンで『THOU SWELL』を歌っていたりします。

WORDS AND MUSIC-JA

その他にも、リナ・ホーンが『WHERE OR WHEN』や『THE LADY IS A TRAMP』を歌うシーンがあったり、

WORDS AND MUSIC-LH

ペリー・コモが、『GARRICK GAIETIES』というミュージカルの舞台で、『MOUNTAIN GREENRY』を、

WORDS AND MUSIC-PC-MG

『THE GIRL FRIEND』というミュージカルの舞台で『BLUE ROOM』を、

WORDS AND MUSIC-PC-GF

ロレンツ・ハートの追悼コンサートのシーンで『WITH A SONG IN MY HEART』を歌ってるシーンがあったり、

WORDS AND MUSIC-PC

若き日のメル・トーメが、ビッグ・バンドのリーダー役で『BLUE MOON』を歌うシーンがあったり、

WORDS AND MUSIC-MT

『ON YOUR TOES』というミュージカルの中の『SLAUGHTER ON 10TH AVENUE』という舞台のシーンでは、ジーン・ケリーのダンス(歌はありません。)をたっぷり見る事が出来たりして、

WORDS AND MUSIC-GK

それはそれは、『ロジャース&ハートの世界』を思う存分満喫することが出来る作品になっているのであります。
ところで、ジーン・ケリーのダンス・シーンのタイトルを、日本語にすると『10番街の殺人』なんですが、
バックに流れる音楽は、私が小学校の高学年だった頃に"ザ・ヴェンチャーズ"の演奏でヒットした同名曲なんです。
恥ずかしながら、この曲がリチャード・ロジャースの作曲だったとは知りませんでした。
今日は、近くの公園で"桜"がほぼ"満開状態"でした。

SAKURA 2011-0

店に行く途中に、よく通る所なんですが、
この時期に数日間しか見られない美しい景色ですね。

SAKURA 2011-3

気温も高くなって、ようやく『SPRING IS HERE』という感じになってきましたね。

SAKURA 2011-4

ところで、『SPRING』と言えば、"春"という意味以外にも、
トニー・ウイリアムスの『SPRING』というアルバムでは、"バネ"や"弾む"といった様な意味で使われているのだと思いますし、

TONY WILLIAMS-SPRING

バーボンの『ECHO SPRING』では、"泉"という意味で使われています。

ECHO SPRING-BOTTLE

ECHO SPRING-LABEL

このバーボン、"ソーダ割り"がお薦めです。
とてもフルーティーな味わいになって美味しいですよ!!

あっ、そうそう、"泉"という意味では、"温泉"のことを『HOT SPRING』って言いますよね。
以前から探していて、なかなか見つからなかった『OLD CHELSEA』というオールド・トム・ジンを、先日ようやく見つけてゲットしました。

OLD CHELSEA OLD TOM GIN

このジンのラベルの絵なんですが、

OLD CHELSEA OLD TOM GIN-2

イングランド・プレミアリーグの強豪サッカー・チーム"チェルシー"のホームタウンとしても知られている、ロンドン西部の"チェルシー"という町で、テームズ河に架かっている『チェルシー・ブリッジ』という橋の昔の様子が描かれている様です。

CHELSEA BRIDGE LONDON-1

当店の常連さんに、このジンをお薦めしたところ、このラベルに描かれている『チェルシー・ブリッジ』という橋は、トミー・フラナガンの『OVER SEAS』なんかにも収録されている同名曲と何か関係があるのでは?とおっしゃるので、調べてみると・・・・・。

TFOS-01.jpg

ビリー・ストレイホーンが作曲した『CHELSEA BRIDGE』は、

BILLY STRAYHORN

ストレイホーンが"ジェイムズ・マクニール・ホイッスラー"という画家の『青と金のノクターン』という絵にインスパイアーされて作ったということの様です。

BATTERSEA BRIDGE-WHISLER

でも、このホイッスラーの絵は、ロンドンにある『バターシー・ブリッジ』という橋の昔の姿が描かれたもので、『チェルシー・ブリッジ』ではない様です。

BATTERSEA BRIDGE

この2つの橋は、どちらもテームズ河の対岸にある"CHELSEA"という町と"BATTERSEA"という町の間に架かっている様なので、ストレイホーンは、『バターシー・ブリッジ』を『チェルシー・ブリッジ』と勘違いして曲名にしてしまったのではないか?という説がある様ですが、本当のところは、どうなんでしょう?
今のところ、これくらいしか分かりません。
また、分かり次第レポートします。