Wishy-WashyのJAZZ映像パラダイス&MORE

2001年7月に開店し、20016年1月に閉店した大阪市北区・西梅田のジャズ・バー『Wishy-Washy』です。所蔵していた映像ソフトやCD等を中心に貴重なものや面白いものをご紹介します。

先頃、オーストラリアのディーバ、ジャネット・サイデルの、台北でのライブを収録したDVDがリリースされました。
この人、台湾では結構ポピュラーな様ですね。

JANET SEIDEL-DVD JACKET

メンバーは、彼女の兄のデビッド・サイデル(b)、チャック・モーガン(g)というレギュラーな面子に、

JANET SEIDEL 2009-DS

JANET SEIDEL 2009-CM

曲によっては、ベン・ジョーンズというサックス・プレーヤーが加わります。

JANET SEIDEL 2009-BJ-TS

ジョーンズはサックスだけでなく、曲によってはジャネット・サイデルとデュエットしたりもしています。
彼のサックスのスタイルは、スコット・ハミルトンやハリー・アレンの様なスイング系なのですが、この手のプレーヤーとしては珍しく"ソプラノ"も吹いていて、『コルトレーン・ライクではない』ソプラノは、ちょっと新鮮な感じがします。

JANET SEIDEL 2009-BJ-SS

ところで、このDVDの4曲目に収録されている『SUNSHINE LOVE』という曲、歌詞こそ違っていますが、エルビス・プレスリーでヒットした『LOVE ME TENDER』そのものなんです。
"えっ"と思って、少し調べてみると、
『LOVE ME TENDER』は、南北戦争が始まった1861年に、シンシナティーで"ミンストレル・ショー"向けに作られた『AURA LEE』というアメリカ民謡が元曲なんだそうで、『そういう事だったのか』と納得。

JANET SEIDEL 2009-JS

それから、もう一つ、このDVDを見ていて気になったのは、彼女が『フランス語で歌っている曲が多い』という事です。
ジャネット・サイデルとフランスには、何か繋がりがあるのでしょうか?
勉強不足で申し訳ございません。
以前の記事で、"バド・パウエルとチャールズ・ミンガス"の共演映像を収録した輸入物のVHSビデオ『BOP AND HARD BOP』をご紹介したことがありましたが、

BOP  HARD BOP

この記事の中で、『パウエルとミンガスが一緒に映っているシーンでは、パウエルの手しか映っていない』というような事を書きました。
ところが、最近、ず~~~っと前から持っていた『PIANO LEGENDS』という"チック・コリアの案内でジャズ・ピアノの歴史を辿る"映像ソフトを久々に見る機会があったのですが、

PIANO LEGENDS-TITLE

PIANO LEGENDS-CHICK COREA

この中に、二人が"キッチリ"映っている場面があることに気が付きまいた。
輸入ビデオ『BOP AND HARD BOP』に収録されているのと全く同じソースなんですが、何故か二人が同時に映っているシーンがあるのです。

BUD POWELL  CHIRLES MINGUS 1962

輸入ビデオでは、何故このシーンがカットされていたのでしょうか?
不思議です!!!

そして、もう1本。
こちらも以前の記事で、同じ輸入ビデオのシリーズで、セロニアス・モンクがエリントン・ナンバーをソロで演奏している映像をご紹介しましたが、

THELONIOUS MONK-VHS

こちらは、同じコンサートでの追加曲が収録されたDVDがリリースされているのを発見してゲットしました。

THELONIOUS MONK IN BERLIN 1969-DVD

輸入ビデオには、エリントン・ナンバー3曲『SOPHISTICATED LADY』、『CARAVAN』、『SOLITUDE』が収録されていたのですが、DVDではその他に3曲が追加収録されていて、合計6曲収録されております。

THELONIOUS MONK SOLO IN BERLIN 1969

但し、追加曲3曲の内、エリントン・ナンバーは『SATIN DOLL』1曲だけで、後の2曲は、モンクのオリジナル『CREPUSCULE WITH NELLIE』と、もう1曲は"ソロ"ではなくて、ベースとドラムが加わり、もう一人、カウント・ベイシー・オーケストラでも歌っていた"ジョー・ターナー"がピアノで加わって、『BLUES FOR DUKE』という即興のブルースを演っております。

THELONIOUS MONK SOLO IN BERLIN 1969-JOE TURNER

画質も良くなっているし、まあいいのですが、こんな風に"ちまちま"とヴァージョン・アップして出さずに、最初から"キッパリ"した物を出してもらいたいものです!!!!!
先日、ポール・ニューマン主演の1982年の映画『評決(THE VERDICT)』を、家内が録画していたのを一緒に見ました。

PAUL NEWMAN-THE VERDICT-DVD JACKET

ニューマン演じる"飲んだくれ"の弁護士"フランク・ギャルビン"が、行きつけのバーで、"銘柄を指定して"オーダーするのが、アイリッシュ・ウイスキーの『ブッシュミルズ(BUSHMILLS)』です。

BUSHMILLS IRISH WHISKEY

1608年に、世界で初めて"ウイスキー蒸留免許"を取得した"ブッシュミルズ蒸留所"の主力ウイスキーです。
フランクが、自宅で『ブッシュミルズ』を飲んでいるシーンもあります。

ところで、ニューマンといえば、(以前の記事でもご紹介しましたが)1961年の映画『ハスラー(THE HUSTLER)』でも、

PAUL NEWMAN-THE HUSTLER-DVD JACKET

ニューマン演じる"エディー"が、プール・バーで必ず『JTSブラウン』というバーボンを、"銘柄を指定して"オーダーしていました。

JTSBROWN.jpg

これって偶然でしょうか?
それとも、ニューマンとウイスキーには何か特別な縁でもあるのでしょうか?
自宅の近くには、チョツトした"竹林"があるのですが、
昨日(5/14)その近くを通りかかると、竹の間から"竹の子"が『竹に成ろう』とグングン伸びて来てました。

TAKENOKO-1.jpg

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先週の前半は、かなり雨が降っていて、木曜日から天気が回復したのですが、これっていわゆる『雨後の竹の子』ってやつですか?
いやいや、逞しいですね!!!!
若手のジャズ・ミュージシャンも、こんな風にガンガン伸びて来て欲しいですよね!!!!

ところで、チョット強引ですが、『雨後』というところから、コルトレーンの『AFTER THE RAIN』という曲を連想してしまいました。
この曲、初演は"IMPULSE"レーベルの『IMPRESSIONS』というアルバムだったと思いますが、

JOHN COLTRANE-IMPRESSIONS JACKET

この曲を演っている、コルトレーンの映像がないものかと探してみましたが、本人の映像は見つかりませんでした。
でも、1987年の第10回"LIVE UNDER THE SKY"の『TRIBUTE TO JOHN COLTRANE』という企画のバンドが『AFTER THE RAIN』を演っていたのを思い出しました。

TRIBUTE TO JC-DVD JACKET

ウエイン・ショーターとデイブ・リーブマンがソプラノを吹いていて、リズム・セクションは、リッチー・バイラーク(p)、エディー・ゴメス(b)、ジャック・ディジョネット(ds)という強力なメンバーです。
リーダーは、たぶんデイブ・リーブマンなんでしょうね。

TRIBUTE TO JC-DAVE LIEBMAN-1

MCもやってますし。

TRIBUTE TO JC-DAVE LIEBMAN-2

この人、コルトレーンには相当ストイックに拘ってるみたいです!!!
今年の2月に、当店に来て下さった関西の若手ベーシスト"権上康志"さんが、先日(5/10)、『GINGER BREAD BOYS』で近くのジャズ・ライブのお店『ミスター・ケリーズ』に出演されて、リハーサルの後で、メンバー全員を連れて来て下さいました。

2月に来られた時に、『GINGER BREAD BOYS』のCDのジャケットにサインをしていただいて、『5月に"ミスター・ケリーズ"に出演しますので、その時"GINGER BREAD BOYS"のみんなを連れて来ますので、他のメンバーのサインのスペースを空けておきますね』とおっしゃって、上の方にサインをして下さっていたのですが、

GINGER BREAD BOYS-CD

そのとおり、メンバー全員を連れて来て下さって、皆さんにサインをしていただいたという次第です。
いや~~~、律儀な方です!!! 権上さん。

GINGER BREAD BOYS-CD-AUTOGRAPH

ところで、権上さんは、自分のリーダーCD『TOMORROW IS COMIN'』をリリースされたそうです。

GONJOH YASUSHI TRIO-CD

ピアノの加納新吾さん、ドラムの中野圭人さんとのピアノ・トリオでのアルバムで、なかなか良さげな感じです。
ジャケットのデザインも、いい感じです。
先日発売された"ジャズ・ジャパン誌"の最新号。表紙の写真が、エロール・ガーナーとクリント・イーストウッドのツーショットになっております。

JAZZ JAPAN VOL.9-HYOSHI PHOTO

記事としても、"クリント・イーストウッドとジャズ"というテーマで書かれていて、イーストウッドの1971年の初監督映画『恐怖のメロディー』に使われたガーナー作曲の名曲『MISTY』が紹介されておりますが、
『恐怖のメロディー』と『MISTY』で思い出すのが、1996年にカーネギーホールで開催された『EASTWOOD AFTER HOURS』というコンサートを収録した映像です。

EASTWOOD AH-TITLE

この映像、カーネギーホールにイーストウッドを招いて、多数の豪華な顔ぶれのジャズメンがイーストウッド縁の曲を中心に演奏するのですが、演奏の合間に、その曲が使われたイーストウッドの映画のシーンが挿入されて、それにまつわるエピソードをイーストウッドが語るシーンがあります。

その中の、前述した『恐怖のメロディー』と『MISTY』についてのシーンで、

EASTWOOD AH-MOVIE-1

イーストウッドはこんな風に語っております。

EASTWOOD AH-INT-1

EASTWOOD AH-INT-2

EASTWOOD AH-INT-3

更にもう一つ、この事に関して思い出すのが、『モントルー・ジャズ・フェスティバル』を主宰しているクロード・ノブスが、フェスティバルの歴史について語っている『DE HARLEM A CAUX』と題された映像で、

MONTREUX-PAN1967.jpg

ノブスが、フェスティバルを始める前年の1966年に、エロール・ガーナーにスイスのTVへの出演依頼をした時のエピソードとして、こんな風に語っております。

C NOBS-INT-2

C NOBS-INT-3

C NOBS-INT-4

でもガーナーには、1962年から1964年にかけて毎年、オランダ、ベルギー、スウェーデン、イギリスでTV出演した映像が残っていて、"TV嫌い"とは考えにくいので、
これもエージェントの"駆け引き"ということなのでしょうか?
当時のガーナーのエージェントは、相当な"やり手"だったようです!?
5月になったので、店内にディスプレイしているレコード・ジャケットを更新しました。
"子供の日"の"鯉のぼり"に因んで、魚のジャケットにしてみました。

まず、1枚目は、エルビン・ジョーンズの『LIVE AT THE LIGHTHOUSE』

ELVIN JONES-LALH

灯台の廻りに、魚がウヨウヨ泳いでいる不思議なジャケットです。
『魚(オーディエンス)が、灯台(LIGHTHOUSE)の光(エルビン・ジョーンズ・バンド)に惹き付けられて集まって来ている』ということなのでしょうか?

そして、もう1枚は、渡辺香津美さんの『MERMAID BOULEVARD』

KW-MB.jpg

このアルバム・タイトルから、どうしてこのジャケットになるのかは良く分かりませんが、"鯉?"という意味では"ストライク"ですし、"和"な感じなのもテーマにピッタリなジャケットです。
この間(4/25と4/30)BSフジで、リー・リトナーとマイク・スターンのブルーノート東京での"共演ライブ"がオンエアされましたので、早速ご紹介しましょう。

LRMS 2011-LRMS

このライブは今年の2月に行われたもので、二人の他にサイモン・フィリップス(ds)も参加していて、『THE FREEWAY JAM BAND』なんていう名前が付いている様です。

2010年6月に、リトナー名義の『SIX STRING THEORY』というアルバムがリリースされていて、ジョージ・ベンソン(注)、BBキング、パット・マルティーノ、ジョン・スコフィールド、ロバート・クレイ(注)、スティーブ・ルカサー、ニール・ショーン等という超豪華なギタリストが参加しているのですが、

LEE RITENOUR-6 STRING THEORY

このアルバムの中で、マイク・スターンも、ジェフ・ベックの『FREEWAY JAM』という曲で共演していて、この曲のレコーディング・メンバーでのライブということなので、このバンド名になったということの様です。
ブルーノート東京の"共演ライブ"でも、最初にこの曲を演奏しております。

ところで、この"共演ライブ"のドラマーのサイモン・フィリップスといえば、ジェフ・ベックのバンドにもいたことがありますが、『FREEWAY JAM』が収録されている『BLOW BY BLOW』のドラマーは、まだ彼ではなくて、リチャード・ベイリーですし、

JBBBB.jpg

このブルーノート東京でのマイク・スターンとの"共演ライブ"の5ケ月前(アルバム・リリースの3ケ月後)に、リトナーは、このアルバム名『SIX STRING THEORY』を冠したライブを、同じブルーノート東京で演っているのですが、この時、アルバム『SIX STRING THEORY』に参加したギタリストは誰も共演していない様です。
この辺り、付けられた"バンド名やライブ名"が、何かもうひとつシックリ来なくて微妙な感じもするのですが、まあ"良し"としておきましょうか?(笑)

それはそうと、この時リトナーが使っているギターが、当時のジェフ・ベックを意識してか?ギブソンの"レス・ポール"なのですが、

LRMS 2011-LEE RITENOUR

このギターは"スタンダード"というモデルで、当時ベックは、このモデルも使っていたようなのですが、

JEFF BECK  LES PAUL STANDARD

同じ"レス・ポール"でも、ジェフ・ベックが当時気に入って使っていて、『BLOW BY BLOW』のジャケットの絵でも弾いているのは"オックスブラッド"と呼ばれているもので、
最近"JEFF BECK 1954 LES PAUL OXBLOOD"というモデル名で、ギブソンから150台限定でリリースされているようです。

JEFF BECK  OXBLOOD

どうせならトコトンこだわって、この"オックスブラッド"を使って貰いたかったものです。
無理な注文でしょうか???
ギター・コレクターのリトナーなら出来ないことはなかったのでは?
でも、黒いレス・ポールは、リトナーには似合わないかもしれませんね。

GIBSON LES PAUL OXBLOOD

一方、マイク・スターンはというと、相変わらず"テレキャスター"タイプのギターを使っていて、相変わらず黒づくめのコスチュームです。

LRMS 2011-MIKE STERN

ライブの最後には『BIG NEIGHBORHOOD』というスターン名義の同名アルバムからの曲を演っているのですが、
この曲のギター・リフが、どう聴いてもレッド・ツェッペリンのセカンド・アルバムに収録されている『MOBY DICK』という"ジョン・ボーナムのドラム・ソロをフィーチャーした"曲のギター・リフをパロった〔失礼!!"リスペクトした"ですね(笑)〕としか思えません。

LED ZEPPELIN 2-JACKET

サイモン・フィリップスのドラム・ソロもフィーチャーされているので、間違いないでしょう。

LRMS 2011-SIMON PHILLIPS

そう考えると、『リー・リトナーがジェフ・ベック』、『マイク・スターンがジミー・ペイジ』という構図になって、今更ながら、三大ギタリストの影響力の大きさを思い知らされた次第です。

(注)ジョージ・ベンソンとロバート・クレイが演奏している曲では、リー・リトナー名義のアルバムにもかかわらず、彼はプロデュースにまわっていて、演奏はしておりません。
どうして、そんなことにしたのでしょうね?